兵戈へいか)” の例文
畢竟ひっきょう南北相戦う、調停の事、またす能わざるのいきおいり、今におい兵戈へいかさんを除かんとするも、五しきの石、聖手にあらざるよりは、之をること難きなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
明治十年の西郷戦争さいごうせんそうに、彼の郷里の熊本は兵戈へいかの中心となったので、家をげて田舎に避難したが、オブチと云う飼犬のみは如何してもうちを守って去らないので
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ぜったいにこのでは平常へいじょう敵味方てきみかたをわすれ、あだなくうらみなく、たとえ隣国りんごく交戦中こうせんちゅうでも、三日かん兵戈へいかをおさめて待つというのが武門ぶもんのとうぜんとされている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)