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光治
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こうじ
光治は、しばらくそこに
立って、じいさんを
見送っていますと、その
姿は
日影の
彩るあちらの
森の
方に
消えてしまったのでありました。
光治ははじめのうちは、その
笛を
大事にして、
夜眠るときでもまくらもとに
置いて、すこしも
自分の
体から
離したことはなかったのです。
こんなふうに
光治は、
小鳥まで
自分の
友だちとすることができたので、もはや
一人で
遊ぶことをすこしもさびしくは
思わなかったのであります。