トップ
>
兇状持
>
きょうじょうもち
ふりがな文庫
“
兇状持
(
きょうじょうもち
)” の例文
今は
止
(
や
)
めていても
兇状持
(
きょうじょうもち
)
で随分人相書の廻ってるのがあるから、
迂濶
(
うかつ
)
な事が出来ないからさ。御覧よ、今本願寺
参
(
まいり
)
が一人通ったろう。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この男は思わぬ
兇状持
(
きょうじょうもち
)
で、盗み
溜
(
た
)
めた金を資本に、高利の金をかし、表店の沢屋が
羨
(
うらや
)
ましくなって諸方へ手を廻して沢屋の証文を買い集め
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
生命
(
いのち
)
知らずの
兇状持
(
きょうじょうもち
)
ばかりを拾い込んでいる機関部へ来て、これだけの文句を並べ得る水夫は兼の外には居ない。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
寒い冬空を、防寒具の用意すらなかった兄の壮太郎は、古い
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
を一本もって、
宛然
(
さながら
)
兇状持
(
きょうじょうもち
)
か何ぞのような身すぼらしい風をして、そこから汽車に乗っていった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
もう抜くことのできない悪事の沼に
辷
(
すべ
)
りこんで、女
掏摸
(
すり
)
の
兇状持
(
きょうじょうもち
)
を、一生、肩に背負って、十手の先を逃げ歩いていたかもしれない、と思うことはいくたびであった。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
お泊り宿は名ばかり、小ばくちの宿をやったり、
兇状持
(
きょうじょうもち
)
、お尋ね者なぞの、隠れ家になったりしている、お目こぼれの悪の巣で、お三
婆
(
ばば
)
という、新宿の、やり手上りの
侘住居
(
わびずまい
)
だ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
いいかえ、わしは、お豊さん、
兇状持
(
きょうじょうもち
)
なのだよ、今にも役人につかまれば首を斬られてしまうのだよ、お前の伯父さんを鉄砲で撃ったのもわしだよ、鍛冶倉を殺したのもわしだよ。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの男は
兇状持
(
きょうじょうもち
)
だったんだ。八丁堀と数寄屋橋の間をお百度を踏んでようやく判ったよ。
銭形平次捕物控:127 弥惣の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
剃毛
(
そりげ
)
の
溜
(
たま
)
った土間へころりと
落
(
おっこ
)
ちたでさ——
兇状持
(
きょうじょうもち
)
には
心
(
しん
)
から
惚
(
ほ
)
れて
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうです
言種
(
いいぐさ
)
は、前かど
博徒
(
ばくちうち
)
の
人殺
(
ひとごろし
)
兇状持
(
きょうじょうもち
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
というもんです。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兇
漢検準1級
部首:⼉
6画
状
常用漢字
小5
部首:⽝
7画
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“兇状持”で始まる語句
兇状持揃