“きょうじょうもち”の漢字の書き方と例文
語句割合
兇状持100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒い冬空を、防寒具の用意すらなかった兄の壮太郎は、古い蝙蝠傘こうもりがさを一本もって、宛然さながら兇状持きょうじょうもちか何ぞのような身すぼらしい風をして、そこから汽車に乗っていった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
もう抜くことのできない悪事の沼にすべりこんで、女掏摸すり兇状持きょうじょうもちを、一生、肩に背負って、十手の先を逃げ歩いていたかもしれない、と思うことはいくたびであった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お泊り宿は名ばかり、小ばくちの宿をやったり、兇状持きょうじょうもち、お尋ね者なぞの、隠れ家になったりしている、お目こぼれの悪の巣で、お三ばばという、新宿の、やり手上りの侘住居わびずまいだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)