元子もとこ)” の例文
彼女は、近年はほとんど、高橋元子もとこ藤間勘素娥ふじまかんそが)の舞踊茂登女会もとめかいに出演し、作曲していた。元子のお母さん姉妹きょうだいも、浜子の友だちだった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
『断然元子もとこを追ひ出してしづを奪つて来る。いやしくつても節操みさをがなくつてもしづの方がい』といふ感が猛然と彼の頭にぼつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
愛宕町あたごちやうは七八丁の距離しかないので銀之助はしづのこと、今のさい元子もとこのことを考へながら、あゆむともなく、徐々のろ/\るいた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
帰つて見ると元子もとこ帰宅かへつて居ない。ふさ気慊きげんを取る言葉がないので沈黙だまつて横を向いてると、銀之助は自分でウヰスキーのびんとコツプをもつて二階へけ上がつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)