傷口きずくち)” の例文
少年しょうねんはこの三味線しゃみせんひきのおんなを、やさしいひとだとおもいました。かれは、どくになって、おんなあしみずあらって、自分じぶんこしにさげているぬぐいをいて、傷口きずくちいてやりました。
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして丁寧にそれを傷口きずくちに塗つた上を繃帯までかけてやつた。
おんなは、うちかえって、ランプのしたで、もう一よくすいかをました。しかし、どうしたことか傷口きずくちがわかりませんでした。そのとき、うちじゅうのものがみんなてきて、ランプのしたあつまりました。
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)