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傷口
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きずくち
少年はこの
三味線ひきの
女を、やさしい
人だと
思いました。
彼は、
気の
毒になって、
女の
足を
水で
洗って、
自分の
腰にさげている
手ぬぐいを
裂いて、
傷口を
巻いてやりました。
そして丁寧にそれを
傷口に塗つた上を繃帯までかけてやつた。
女は、
家に
帰って、ランプの
下で、もう一
度よくすいかを
見ました。しかし、どうしたことか
傷口がわかりませんでした。そのとき、
家じゅうのものがみんな
出てきて、ランプの
下に
集まりました。