停滞ていたい)” の例文
旧字:停滯
支配階級や政治の機構やイデオロギーがそれに適応できず、硬化こうか停滞ていたいおちいるとき、そこに政治的変革が必然となるというべきであろう。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
さて、読者の中には、次郎がいつまでも同じ年頃に停滞ていたいしているのを、いくぶんもどかしく思っている者があるであろう。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
何にも停滞ていたいしておらん。随処ずいしょに動き去り、任意にんいし去って、塵滓じんしの腹部に沈澱ちんでんする景色けしきがない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また今の旧下士族が旧上士族に向い、旧時の門閥もんばつ虚威きょいとがめてその停滞ていたいを今日にらさんとするは、空屋あきやの門にたちて案内をうがごとく、へび脱殻ぬけがらを見てとらえんとする者のごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
銭というものはな、あるときもあれば、ないときもある、また、あるところからないところへ常にとどこおりなく流通するのが常道なのであって、一所に長く停滞ていたいするのは経済の道に外れている。