介意かいい)” の例文
勘次かんじはちらとくりみきうしろにしたまゝ俯向うつむいてしまつた。おつたはさら介意かいいないやうな態度たいどでずつと戸口とぐちつて、なゝめかたけた風呂敷包ふろしきづゝみをおろした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かつこの間の事について何の介意かいいをも含んでいないらしく自分の耳に響いた。彼は自分のために、わざわざ一脚の椅子を己れの前へえて、自分をさしまねいた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)