“人魂(おにび)” の例文
幻(まぼろし)のやうな蒸暑(むしあつ)い庭(には)に、恰(あたか)も曠野(あれの)の如(ごと)く瞰下(みおろ)されて、やがて消(き)えても瞳(ひとみ)に殘(のこ)つた、簪(かんざし)の蒼(あを)い光(ひかり)は、柔(やはら)かな胸(むね)を離(はな)れて行方(ゆくへ)も知(し)れぬ、……其(そ)の人(ひと)の人魂(おにび)のやうに見(み)えたのであつた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)