五蘊ごうん)” の例文
乗円 は、は、でいゆすを造りしものが無うて、でいゆすく天地万象を造りしとな。然らばでいゆすは即ち五塵ごぢんくわい五蘊ごうんの泉、憎愛簡択ぞうあいかんたくの源とこそ見ゆれ。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
(『山堂清話さんどうせいわ』に曰く、「五蘊ごうんはじめて起こる。これを名づけて生となす。ないし、四大分散、これを名づけて死となす。識神しきしんごうしたがいて後有に旋帰す」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
参禅の三摩地を味ひ、諷経念誦の法悦を知つてゐたので、和尚の遷化せんげして後も、団九郎は閑山寺を去らなかつた。五蘊ごうんの覊絆を厭悪し、すでに一念解脱を発心してゐたのである。
閑山 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
参禅の三摩地を味い、諷経念誦ねんじゅ法悦ほうえつを知っていたので、和尚の遷化せんげして後も、団九郎は閑山寺を去らなかった。五蘊ごうん覊絆きはんを厭悪し、すでに一念解脱げだつ発心ほっしんしていたのである。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
『倶舎論』に曰く、「死有しうののち、生有しょううさきにありて、二者の中間ちゅうげんに、五蘊ごうんの起こるあり。生処しょうしょに至らんがためのゆえに、このしんを起こす。二しゅの中間なるがゆえに、中有ちゅううと名づく」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)