予州よしゅう)” の例文
これは予州よしゅうの太守劉玄徳りゅうげんとくが義弟の関羽かんうあざな雲長うんちょうなり、家兄玄徳の仰せをうけて、義のため、呂布を扶けに馳けつけて参った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、そこに滞在して、かたき在処ありかさぐる内に、家中のさむらいの家へ出入でいりする女の針立はりたての世間話から、兵衛は一度広島へ来てのち、妹壻の知るべがある予州よしゅう松山まつやまへ密々に旅立ったと云う事がわかった。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
燎原りょうげんの火とばかり、魔の手をひろげて行った黄巾賊の勢力は、今では青州せいしゅう幽州ゆうしゅう徐州じょしゅう冀州きしゅう荊州けいしゅう揚州ようしゅう兗州えんしゅう予州よしゅう等の諸地方に及んでいた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかも、漢室の宗族のうちにこの人があろうとは、正に、天佑ではないか。見たまえ、ご列親のうちに予州よしゅう刺史しし劉玄徳りゅうげんとくの名があるではないか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)