主計かずえ)” の例文
急使のもたらしたその書面は、やがて席を一巡して、松平元康の所へ来て終った。元康も一読をすまして、朝比奈主計かずえの手から義元の前へ返した。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「捜しているのは侍だ」と茂七のうしろにいた若侍が初めて云った、「谷川主計かずえという者だが、知っているだろうな」
失蝶記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
大隊長箕輪みのわ主計かずえ之助は六百石の旗本である。それが代地河岸に妾宅を持っていようとは、根井も今まで知らなかったのである。箕輪も勿論、秘密にしていたに相違ない。
それから熨斗目のしめ麻上下、大小たばさんだ山岡主計かずえ、お証拠お預かりの宰領である。白木柄の薙刀一振を、紫の袱紗で捧げ持ち、前後に眼を配っている。つづいて血祭坊主が行く。
首頂戴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
而して折々見れば寄宿舎では右二氏の外、五百木飄亭いおきひょうてい氏とか勝田しょうだ明庵(主計かずえ)氏とか藤野古白ふじのこはく氏とか新海非風にいのみひふう氏とか佐伯蛙泡氏五島五州氏とかいうが随分盛んに俳句をやっていたのである。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
家老 二階堂主計かずえ
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
その夜たちまち並河掃部なみかわかもん、村上和泉守、妻木主計かずえ、藤田伝五などの将は、一部隊をひきいて、亀山城へいそいで行った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
依怙えこの条では、弟(遠山勘解由かげゆ)を評定役にし、加増させたこと。末弟、永江主計かずえをも評定役、出入司しゅつにゅうづかさに進めたこと。
八千石の大旗本、大久保主計かずえの養女として、お杉は貰われて行ったのであった。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
光春の夫人は、妻木主計かずえのむすめである。光秀の家庭は子沢山で有名なものだが、光春と夫人の妻木氏のあいだには、八歳になる乙寿丸おとじゅまるしかない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寛延二年三月八日の夕方五時から、石浜の「ふくべ」で永井主計かずえのために送別の宴を催した。
古今集巻之五 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
塩尻の社家主計かずえの屋敷で、一旦勘助を捕えたが、大して憎くない男だったので、覚蔵の家の内土蔵ぐらの中へ、冬次郎様と熊太郎とを、翻弄ほんろう的に閉じこめておいて、主計方へ帰って来た貝十郎は
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
並河掃部かもん。進士作左衛門、妻木主計かずえなどである。最後に光秀は、老臣斎藤利三としみつ、一族の光春、光忠、光秋などと一緒にすがたをあらわし、中央の床几にった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牧野主計かずえはひじょうに多忙である。
主計は忙しい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「社家北条主計かずえの屋敷に!」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
主計かずえ。この前の評議の折、申しつけておいた調べ、整うたか」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そち塩尻の主計かずえ方で
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)