丸亀まるがめ)” の例文
旧字:丸龜
産額で一番大きなものの一つは団扇うちわであります。丸亀まるがめ市がその産地で、特に塩屋しおやはその中心であります。年額は三百万円を超えこれにたずさわる工人は三千人と称します。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
むかし讃岐さぬきの国、高松に丸亀まるがめ屋とて両替屋を営み四国に名高い歴々の大長者、その一子に才兵衛さいべえとて生れ落ちた時から骨太く眼玉めだまはぎょろりとしてただならぬ風貌ふうぼうの男児があったが
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
讃州さんしゅう丸亀まるがめ京極きょうごく阿波あわ徳島とくしま蜂須賀はちすか、姫路の本多、伊予の松平など、海には兵船をつらね、国境には人数を繰出くりだし、この赤穂領を長城ちょうじょうの壁のように囲んで、やじり砲筒つつを御家中へ向けている
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名は燿蔵ようぞういみな忠輝ただあき、号を胖庵ばんあんといい、祭酒さいしゅ述斎じゅつさいの第二子である。弘化二年十月罪を獲て改易かいえきとなり、その身は讃州丸亀まるがめの領主京極きょうごく氏の藩中に禁固せられた。時にその年五十歳であった。
枇杷の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
鹿沼かぬまほうき丸亀まるがめ団扇うちわ天童てんどう将棊駒しょうぎごま久留米くるめかすり結城ゆうきつむぎ土州どしゅうの金物、それぞれに面白い発達である。そういう場所からはとりわけ生産の組織について多くを学ぶことが出来る。
地方の民芸 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)