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中門
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ちゅうもん
ふりがな文庫
“
中門
(
ちゅうもん
)” の例文
寺の門は
宛
(
さなが
)
ら西洋管絃楽の
序曲
(
プレリュード
)
の如きものである。最初に
惣門
(
そうもん
)
ありその次に
中門
(
ちゅうもん
)
あり然る後幽邃なる境内あってここに始めて本堂が建てられるのである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
相手の用意に裏をかかれた盗人の群れは、裏門を襲った一隊も、防ぎ矢に射しらまされたのを始めとして、
中門
(
ちゅうもん
)
を打って出た侍たちに、やはり手痛い
逆撃
(
さかう
)
ちをくらわせられた。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
で、彼は悠々と内へ進んでいったが、さらに
中門
(
ちゅうもん
)
の
侍郎
(
じろう
)
へむかって、訪れを再びした。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて
中門
(
ちゅうもん
)
より、庭の
柴折戸
(
しおりど
)
を静かに開けて、
温雅
(
しとやか
)
に歩み来る女を見ると、まぎれもないその娘だ、
文金
(
ぶんきん
)
の高島田に振袖の
裾
(
すそ
)
も長く、懐中から垂れている
函迫
(
はこせこ
)
の銀の
鏈
(
くさり
)
が、その
朧
(
おぼろ
)
な雪明りに
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
と、
中門
(
ちゅうもん
)
口に立ちはだかって、無類の
大音声
(
だいおんじょう
)
で見参する。稚気をおびた嫌がらせにすぎないが、輿入れや息子の袴着祝などにやられると災難で、
大祓
(
おおはらい
)
をするくらいでは追いつかないことになる。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
突当りに
中門
(
ちゅうもん
)
がございまするが、白塗りにて竜宮の様な妙な形の中門で、右の方はお台所から
庫裏
(
くり
)
に
繋
(
つなが
)
っており、正面は本堂で、
曹洞派
(
そうどうは
)
の
禅林
(
ぜんりん
)
で、安国山総寧寺と云っては名高い禅寺でございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その前に
聳
(
そび
)
える
中門
(
ちゅうもん
)
または山門をば、長い敷石道の
此方
(
こなた
)
から遠く静に眺め渡す時である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それに、今
切落
(
きりおと
)
した娘の黒髪とを形見に残して、喜んで再び庭より飛石伝えに
中門
(
ちゅうもん
)
へ
出
(
い
)
で
行
(
ゆ
)
く姿を見ると、
最早
(
もはや
)
今は全くこの世を
思切
(
おもいき
)
りしものか、不思議な事は、スラリとしたその振袖姿の
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
寺男には、その娘に、
中門
(
ちゅうもん
)
の庭より私の居間へ
入来
(
はいりく
)
る様に命じてやった。
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“中門”で始まる語句
中門口
中門前
中門廊
中門前町