不辜ふこ)” の例文
また曰く、「およそ不辜ふこを殺す者は、その不祥を得、鬼神のちゅうせんこと、かくのごとく憯遬しんそくなり、と。この書の説をもってこれをみれば、すなわち鬼神のあること、あに疑うべけんや」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
てんの・善人ぜんにん報施はうしする、如何いかん(四九)盜跖たうせき(五〇)不辜ふこころし、(五一)ひとにくかんにし、(五二)暴戻恣睢ばうれいしきたうあつむることすうにん天下てんか横行わうかうせしが、つひじゆもつをはれり。
シナの聖人は一の不辜ふこを殺して天下を得るもなせずと訓戒を垂れたりしも、実に欧州の帝王宰相らはその児戯にひとしき名誉心を飽かしめんがため、僅々五十年間にかくのごとき莫大なる無病息災
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)