上総かづさ)” の例文
旧字:上總
(叔父が安房あは上総かづさへ武者修行に出かけ、二刀流の剣客と仕合をした話も矢張やはり僕を喜ばせたものである。)それから「御維新」前後には彰義隊しやうぎたいに加はる志を持つてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
記の此処こゝの文が妙にねぢれて居るので、清宮秀堅は、将門の妻は殺されたのでは無くて上総かづさとらはれたので、九月十日になつて弟のはかりごとによつて逃帰つたといふ事に読んでゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ただふたり海の岩草花しろき夜あけに乗りぬ上総かづさの船に
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
河は上総かづさ夷灊川いしみがはである。海は太平洋である。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
上総かづさは いわし
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
僕が大学を卒業した年の夏、久米正雄くめまさを一緒いつしよ上総かづさいちみやの海岸に遊びに行つた。
微笑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
遠浅にかれひつる子のむしろを春かぜ吹きぬ上総かづさより来て
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
上総かづさ潟長柄かたながらにも
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)