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三下
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さんした
ふりがな文庫
“
三下
(
さんした
)” の例文
「馬鹿野郎、奉っておきゃアいい気になって、
手前
(
てめえ
)
たち
三下
(
さんした
)
の知ったこっちゃねえ、黙って引っ込んでいやがれ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大下組が街の
顔役
(
かおやく
)
とか、親方とかいう
一聯
(
いちれん
)
の徒党に対する政府の解散命令を
喰
(
くら
)
ってから、組の若い
者
(
もん
)
から、
三下
(
さんした
)
のちんぴらに至るまで
総
(
すべ
)
てが足を洗う様に余儀なくされた。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
「お前のような男は一人前の真打になってはじめて人間の馬鹿らしさまでが人からほめられる。こうやって
三下
(
さんした
)
でくすぶっているうちはいつまでもいつまでも馬鹿扱いだ」
円太郎馬車
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
自分を
三下
(
さんした
)
だとしている声だ。
謙遜
(
けんそん
)
や
卑下
(
ひげ
)
ではなく、自分まで冷たく突っ放している声だった。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
根ッからの
田舎
(
いなか
)
廻りなら知らぬこと、
開封
(
かいほう
)
東京
(
とうけい
)
の芸人には、おまえさんみたいな
三下
(
さんした
)
に小屋を荒らされて、縮み上がってしまうようなお人よしはいませんとさ。ふウん、おかわいそうに
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
……さしあたってな
小博打
(
こばくち
)
が
的
(
あて
)
だったのですから、
三下
(
さんした
)
の
潜
(
もぐ
)
りでも、姉さん。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
土蔵のつづきに、間口の広い、がさつな格子のはまった平屋があった。
出羽作
(
でわさく
)
という有名なばくちうちの住居だった。
三下
(
さんした
)
が、始終、おもてで格子を拭いたり水口で洗いものをしたりしていた。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「びくびくするって、私がか」得石は坐り直して盃を持ったが、その手はひどく震えていた、「ばかな、あんな
三下
(
さんした
)
のやくざ者なんぞ、うん、ちょうどいい、女中をちょっと呼んでくれないか」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ばくち打ちの
三下
(
さんした
)
、相撲で言えば関取のふんどしをかつぐといったやからと同格で、貸元のテラ銭運搬がかりというものがある、そいつだな、そいつが、どうも
己
(
おの
)
れの責任が重くてやりきれねえ
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「えッ、こうなれば
頭巾
(
ずきん
)
を脱いでやろう。いかにも俺は遠州の正太、安岡っ引に縛られるような
三下
(
さんした
)
じゃねえ」
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三下
(
さんした
)
が、始終、格子を拭いたり、水口で洗いものをしたりしていた。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
いいんだよ。俺が言いたいのは、それだったら、
三下
(
さんした
)
みたいな役目に甘んじてるのは、どんなもんかね。加柴の四郎さんともあろう者がチンピラ扱いされちゃ、俺たち全体のコケンにかかわる。どうだ、俺と一緒に大仕事を
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
帰してやれよ、そんな
三下
(
さんした
)
は
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「馬鹿野郎、
奉
(
たてまつ
)
つて置きアいゝ氣になつて、
手前
(
てめえ
)
達
三下
(
さんした
)
の知つたこつちやねえ、默つて引込んで居やがれ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
土蔵のつづきには、間口の広い、がさつな格子のはまった平屋があった。出羽作という、有名なばくちうちの住居だった。
三下
(
さんした
)
が、始終、おもてで格子を拭いたり、水口で洗いものをしたりしていた。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
吉三郎は仲間では
三下
(
さんした
)
だが、あの牙彫の手形を手前のところから見付けて持つて行くと、急に
頭領
(
かしら
)
の株を狙つて、拔荷の
大儲
(
おほまう
)
けを一人占めにしようといふ大望を起したのさ
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“三下”の解説
三下(さんした)とは、丁半打の仲間の内で下っ端の者を意味する言葉である。三下奴とも。また博打打の仲間でなくても下っ端の者を指したり、単に取るに足らない者を指す場合にでも三下という言葉が使われる場合がある。
三一(サンピン)とは語源が異なる。
(出典:Wikipedia)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“三下”で始まる語句
三下奴
三下冥利
三下風情