一者ひとり)” の例文
汝はこの後唯一者ひとりにて我等の上なる魂を歎かしむるかの年へし妖女を見しや、人いかにしてこれがきづなを斷つかを見しや 五八—六〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この時一者ひとりトスカーナのことばをきゝてうしろよりよばゝりいひけるは、くろずめる空をわけてはせゆく者等よ、足をとゞめよ 七六—七八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そのほか多くの者の名を彼一々我に告ぐるに、彼等皆名をいはるゝを厭はじとみえ、その一者ひとりだにさまをなすはあらざりき 二五—二七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼等は鐡鉤かぎをおろせり、その一者ひとりほか一者ひとりにいふ、汝わが彼のしりに觸るゝをねがふや、彼等答へて、然り一撃ひとうち彼にあつべしといふ
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この時また一者ひとりいふ。あゝねがはくは汝を引きてこの高山たかやまに來らしむる汝の願ひ成就せんことを、汝善きあはれみをもてわが願ひをたすけよ 八五—八七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
我は一者ひとりの前を走れる千餘の滅亡ほろびの魂をみき、この者徒歩かちにてスティージェを渡るにそのあしうら濡るゝことなし 七九—八一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
また一者ひとりは、被造物つくられしもの未だかつて目を第一の波に及ぼしゝことなきまでいと深き泉より流れ出る恩惠めぐみにより 一一八—一二〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
即ちその一者ひとりは、善意よきおもひもどる者なき處なる地獄より骨に歸れり、是抑〻そも/\生くる望みのむくいにて 一〇六—一〇八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)