一旦ひとたび)” の例文
一旦ひとたび一四四樹神こだまなどいふおそろしきものむ所となりたりしを、わか女子をんなご一四五矢武やたけにおはするぞ、一四六老が物見たる中のあはれなりし。
されども彼は永くその痛苦を去らしむる能はざるべし、一旦ひとたびいたくその心をきずつけられたるかの痛苦は、永くその心の存在とともに存在すべければなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
里人のかたるを聞けば、汝一旦ひとたび愛慾あいよく心神こころみだれしより、たちまち鬼畜に一二五堕罪だざいしたるは、あさましともかなしとも、一二六ためしさへまれなる悪因あくいんなり。
たる者は富貴ふうき一二五消息せうそくの事ともに論ずべからず。只信義をもて重しとす。伯氏あに宗右衛門一旦ひとたびちかひをおもんじ、むなしきたまの百里を来るに一二六むくいすとて、一二七日夜をうてここにくだりしなり。