一散走いつさんばし)” の例文
それから先は、後方うしろをも振向ふりむかず、一散走いつさんばしりに夢中で駈出かけだしたが、その横町を出ると、すぐ其処そこ金剛寺坂こんごうじざかという坂なので、私はもう一生懸命にその坂を中途まで下りて来ると
青銅鬼 (新字新仮名) / 柳川春葉(著)
秘密造船所ひみつざうせんじよいでわたくしは、鐵門てつもんのほとりで武村兵曹たけむらへいそうわかれ、猛犬まうけん稻妻いなづましたがへて一散走いつさんばしり、やが海岸かいがんいへかへつてると、日出雄少年ひでをせうねんたゞ一人ひとりで、さびさう門口かどぐち椰子やし木蔭こかげつてつたが