一尺いっしゃく)” の例文
一分いちぶのめだかから一尺いっしゃくこいにいたる魚のすべて、さぎ、白鳥、おしどり、かもつるなど水に親しむ鳥どものすべて、また水にさく浮草の花の一つ一つが、それを聞くのじゃ。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
王子が八歳になられた時、ある晩やはりいつものように庭に出て、一人で月を見ていられますと、どこからともなく一人の小さな、頭に矢車草やぐるまそうの花をつけた一尺いっしゃくばかりの人間が出て来ました。
お月様の唄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
じいさんがそうわれているうちに、天狗てんぐさんは直径ちょくけい一尺いっしゃくもありそうな、ながおおきなすぎえだ片手かたてにして、二三十じょう虚空こくうから、ヒラリとおどらしてわたくしている、すぐまえちました。
一尺いっしゃくは積るな。」
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)