“シルエット”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
影絵54.5%
半面影像9.1%
9.1%
影画9.1%
陰影9.1%
黒色影像9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
更紗を洩れる灯、昼間は気付かなかった露台の影絵シルエット、パタンやブルマンの喧囂たる取引エロクエント・コムマースは、さながら、往時バグダッドの繁栄そのものである。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
沖のムラノ島を半面影像シルエットのように左に見て大運河グランキャナルへ入った。まだ夜中の水の都はわだかまった一つの黒い塊に過ぎなかったが、くいの尖の水路燈だの壁に反射する鉄燈籠などで、運河の河筋を示していた。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
停車場前から古い汚れたタクシーに乗って、オーステルリッツ橋を渡った時、遥の河下にノートル・ダムの黒いシルエットが、どんより曇った朝の空に、寒そうに立っていたのが今も目に浮んで来る。
二人のセルヴィヤ人 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
ボオトの場景が最後ラストかざり、ていれば、撮影さつえいされた覚えもある荒川あらかわ放水路、あししげみも、川面かわもさざなみも、すべて強烈きょうれつ斜陽しゃようの逆光線に、かがやいているなかを、エイト・オアス・シェルの影画シルエット
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
さながら十字架の陰影シルエット! しかしその次の瞬間には、宙に黒々とモンドリを打った。つづいてはげしい水音がした。滝壺の中へ飛び込んだらしい。しばらくはなんの物音もしない。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
門を潜つて灌木の中を通つて行くと、家の黒色影像シルエットが眼の前に浮び上つた。黒く低く、そしてどつちかと云へば長い家だ。だが道標みちしるべの灯は、どこにもない、總てはたゞ朦朧としてゐるだけだ。