影絵シルエット)” の例文
旧字:影繪
一七八九年——影絵シルエット、十八歳のベートーヴェン。(ボン市ベートーヴェン・ハウス所蔵。フリンメルの伝記第十六頁に複製あり)
更紗を洩れる灯、昼間は気付かなかった露台の影絵シルエット、パタンやブルマンの喧囂たる取引エロクエント・コムマースは、さながら、往時バグダッドの繁栄そのものである。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
夜おそくそこらをうろつくと、方々のキャフェで西班牙酒モンテリアをあおってる彼らの影絵シルエットがもうろうと揺れ動いている。
彼は恐怖しながら接近した、黒いものの形は動物の黒い影絵シルエットで影から三米離れたところに怪物の本体がゐた。
小熊秀雄全集-15:小説 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
日はすでに落ちて、旧ふらんす領事館と、その森の、黒い影絵シルエットがくっきりと黄色い空を染抜いていた。外の電車通りと運動場とを隔てる囲いには、昔の城壁が利用されていた。
プウルの傍で (新字新仮名) / 中島敦(著)