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みやじま
怪敷思はれし故なりとぞ
其頃海賊二人召捕れ
詮議有しに是等は八
艘飛の
與市と云ふ者の子分にて海賊となりし由申ける故其與市は
何方に
住居致すやと
糺されしに海賊共七八年以前
泉州堺又は
安藝の
宮島阿州尼子の
浦に
相住海中にて西國大名の荷物船へ
飛乘賊を
企てるには金子
乏しくては大事成就
覺束なし第一に金子の
才覺こそ
肝要なれ其上にて
計らふ
旨こそあれ各々の
深慮は如何と申ければ天一坊
進出て其金子の事にて思ひ出せし事あり
某先年九州へ下りし
砌り
藝州宮島にて
出會し者あり
信州下諏訪の
旅籠屋遠藤屋彌次六と云ふ者にて彼は
相應の身代の者のよし
語ひ
置し事も有ば此者を