“みとが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見咎96.8%
見尤3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
繁みからソロソロ匍いだした大隅学士は、幸いに誰に見咎みとがめられもしない様子に安心をして、宏大なる邸内の探険にとりかかった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お登和嬢見咎みとがめられじと一旦いったんは引込みしがさりとてそのままに隠れんともせず、何か機会ありて先方より捜し出さるるを待つ如し。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
たちま一閃いつせんの光ありて焼跡を貫く道のほとりを照しけるが、そのともしび此方こなたに向ひてちかづくは、巡査の見尤みとがめて寄来よりくるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこを曲りさえすれば、鼻をつままれそうな暗さだから、人に見尤みとがめられる心配はさらになかった。柿江は眼まぐろしく自分の前後をうかがっておいて、飛びこむようにその道路へと折れ曲った。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
知りつつもこの死地に陥りたるを悔いて、る方も無く惑へる宮が面色おももちやすからぬを見尤みとがめて、静緒はひそかに目をそばめたり。彼はいとどその目をおそるるなるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
例のゆがめる口をすぼめて内儀は空々そらぞらしく笑ひしが、たちまち彼の羽織のひもかたかたちぎれたるを見尤みとがめて、かんの失せたりと知るより、あわて驚きて起たんとせり、如何いかにとなればその環は純金製のものなればなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)