“ふたかわめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
二側目40.0%
二重瞼20.0%
層波目20.0%
重縁眼20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きりの花の咲く時分であった。私は東北のSという城下町の表通りから二側目ふたかわめの町並を歩いていた。案内する人は土地の有志三四名と宿屋の番頭であった。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
時に教頭胸をらして、卓子テイブルをドンとこぶしで鳴らすと、妙子はつつと勇ましく進んで、差向いにおもてを合わせて、そのふっくりした二重瞼ふたかわめを、おくする色なく、円くみはって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誰も居なくなると、お妙はその二重瞼ふたかわめをふっくりとするまで、もう、(その速力をもってすれば。)主税が上ったらしい二階を見上げて、横歩行あるきに、井の柱へ手をかけて、伸上るようにしていた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其様な場合ばあひには、まぶたのはれぼツたいせいか、層波目ふたかわめ屹度きつとふかきざみ込まれて、長い晴毛まつげしたうるみつ。そしてうちえてゐるねつが眼に現はれて來るのでは無いかと思はせる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
にらまれるとすごいような、にッこりされるとふるいつきたいような、すずしい可愛らしい重縁眼ふたかわめが少し催涙うるんで、一の字まゆしゃくだというあんばいにり上げている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)