“ひなうた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鄙歌50.0%
鄙唄38.9%
俚歌5.6%
俚謠5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
調子を合わす三味線の音がすると、清らかな女の声でうたうのが手に取るように聞こえる。調子はずれの鄙歌ひなうたが一度に起こってさらをたたく音もする。
竜舌蘭 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
いま、河鹿かじかながれに、たてがみを振向ふりむけながら、しばんだうま馬士うまかたとともに、ぼつとかすんでえたとおもふと、のうしろからひと提灯ちやうちん。……鄙唄ひなうたを、いゝこゑで——
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
牀といふは卓の一端の地上に敷ける藁蓆わらむしろなり。その男は何やらん一座のものに言置き、「ヂツセンチイ、オオ、ミア、ベツチイナ」(り來よ、やよ、我戀人)と俚歌ひなうた口ずさみて出行きぬ。
帆は風にきて、舟は忽ち外海にはしり出で、我は艙板ふないたの上に坐して、藍碧なる波の起伏を眺め居たるに、傍に一少年のうづくまれるありて、ヱネチアの俚謠ひなうたを歌ふ。