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ひとまどころ
その美しい
令室が、人に
羞じ、世に恥じて、
一室処を
閉切って、自分を
暗夜に封じ籠めます。
これはまた学問をしなそうな
兄哥が、二七講の景気づけに、縁日の
夜は縁起を祝って、御堂
一室処で、三宝を据えて、
頼母子を営む、……世話方で居残ると……お燈明の
消々時
折から
一室處より
姑の
聲として、
婦に
云うて
曰く、
風靜に
露白く、
水青く、
月清し、
一山の
松の
聲蕭々たり。
何うだね、
一石行かうかねと。
婦の
聲にて、あゝ
好いわねえ、お
母さんと
云ふ。