-
トップ
>
-
ばうゑんきやう
『
何が
何でも
望遠鏡のやうに
篏め
込まれては
堪らない!
些と
始めさへ
解ればもう
占めたものだ』
此頃では
身にふりかゝる
種々の
難事を
そして時々
望遠鏡で
火星の運河が二本に見える
学者はこれを二
重運河といつてゐるんぢや
『まア
好い
氣持だこと!
望遠鏡のやうに
締めつけられるやうだわ』と
愛ちやんが
云ひました。
さうぢや この運河を
望遠鏡で見ると この
様に あまり きれいにまつすぐな
線なんで
火星では 高い大きなビルデングのやうな
望遠鏡で 地
球の出来ごとをみてゐるのです
人間を
望遠鏡のやうに
篏め
込む
何か
規則の
書物でもありはしないかと。