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ばうろ
今日不図鉄道馬車の窓より
浅草なる
松田の絵
看板を
瞥見致候。ドーダ五十
銭でこんなに腹が張つた
云々野性は
遺憾なく
暴露せられたる事に
候。
其後
荊棘の為めに
悉く
破壊せられ、躰を
被ふべきもの
更に無く、全身
挙りて
覆盆の雨に
暴露せらる、
其状誠に
憐むに
堪へたり、衆相対して
眼を
開くも
閴として
声なく、
仰ぎて天の無情を
歎す
乱山堆裡に
茅蘆を結んでゐても、恩給証書に貯金の
通帳位は持つてゐたのだらうと思つてゐる。