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はなづけ
胸痛きまでの悲しさ
我事のように鼻詰らせながら亭主に礼
云いておのが
部屋に
戻れば、
忽気が
注は床の間に二タ箱買ったる
花漬、
衣脱ぎかえて
転りと横になり
それから
飲料としては
桜の
花漬、それを
湯呑みに
入れて
白湯をさして
客などにすすめました。
冬の日の
木曾路嘸や
御疲に御座りましょうが御覧下され
是は当所の名誉
花漬今年の夏のあつさをも越して今降る雪の
真最中、色もあせずに
居りまする梅桃桜のあだくらべ
あじきなく暮らす
中月
満て
産声美しく玉のような女の子、
辰と名
付られしはあの
花漬売りなりと、
是も昔は
伊勢参宮の
御利益に
粋という事覚えられしらしき宿屋の
親爺が物語に珠運も木像ならず