“のしかか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
伸掛44.4%
伸懸22.2%
乗懸11.1%
乗掛11.1%
覆掛11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、行燈あんどう伸掛のしかかるかと、ぬつくりとつたが、障子を閉める、と沙汰さたが無い。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
時に、本堂へむくりと立った、大きな頭の真黒まっくろなのが、海坊主のように映って、上から三宝へ伸懸のしかかると、手が燈明とうみょうに映って、新しい蝋燭を取ろうとする。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一緊ひとしめ胸をめたほど、顔の上へ暗さが乗懸のしかかったので心着くと、やがて、すうすうしお退塩梅あんばいに、あかりが小さく遠くなり、はるかに見え、何だか自分が寝た診察台の、枕の下へ滅入込めいりこんで
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しからんことを言うよ、それでは私が今日お前の所から何か持ってでも帰ったと言うのだね、聞き捨てになりませんぞ」と声を高めて乗掛のしかかる。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
おんなも、ちっと張合のないように、さしのぞき、両のかいなを白々と膝に頬杖した。高島田の空に、夕立雲のおおえるがごとく、銅像の覆掛のしかかった事は云うまでもない。