伸懸のしかか)” の例文
境が、上から伸懸のしかかるようにして差覗さしのぞくと、下で枯枝のような手を出した。婆がその手を、上に向けて、横ざまに振って見せた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時に、本堂へむくりと立った、大きな頭の真黒まっくろなのが、海坊主のように映って、上から三宝へ伸懸のしかかると、手が燈明とうみょうに映って、新しい蝋燭を取ろうとする。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)