“なわしろだ”の漢字の書き方と例文
語句割合
苗代田100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
またこの橿原かしわばらというんですか、山のすそがすくすく出張でばって、大きな怪物ばけものの土地の神が海の方へ向って、天地に開いた口の、奥歯へ苗代田なわしろだ麦畠むぎばたけなどを、引銜ひっくわえた形に見えます。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大鷲おおわしつばさ打襲うちかさねたるおもむきして、左右から苗代田なわしろだ取詰とりつむる峰のつま一重ひとえ一重ひとえごとに迫って次第に狭く、奥のかた暗く行詰ゆきつまったあたり、ぶッつけなりの茅屋かややの窓は、山が開いたまなこに似て
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
トちょっとあらたまった容子ようすをして、うしろ見られるおもむきで、その二階家にかいやの前からみち一畝ひとうねり、ひく藁屋わらやの、屋根にも葉にも一面の、椿つばきの花のくれないの中へ入って、菜畠なばたけわずかあらわれ、苗代田なわしろだでまた絶えて
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)