“とりかぶと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鳥兜60.0%
鳥冠15.0%
鳥頭10.0%
双鸞菊5.0%
鳥甲5.0%
時々鳥兜5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六十歳の壽齋は、十六歳のめかけを迎へる氣で、したゝか鳥兜とりかぶと煎藥せんやくを呑んだのだ、お道は幸ひにその爪を免れたが壽齋は死んでしまつたのだ。
鳥冠とりかぶとの根はかねて庭から掘つて用意して居た筈だ。下女のお大がお勝手をあけると、お前はそれをなべはふり込み、自分が一番先に死ぬ氣で二杯も重ねた。
劇場テアトロの中のまるい広場には、緑の草の毛氈もうせんの中に真紅の虞美人草ぐびじんそうが咲き乱れて、かよわい花弁がわずかな風にふるえていた。よく見ると鳥頭とりかぶとの紫の花もぽつぽつ交じって咲いていた。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
花薄荷はなはくか双鸞菊とりかぶと風鈴草ふうりんさうどくの薄い、浮れやうの足りないほかの花よりも、おまへたちのはうが、わたしはすきだ。ほろんだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
双鸞菊とりかぶと、毒のかぶといたゞき、鳥の羽根はねの飾をした女軍ぢよぐん勇者つはもの
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
野岳からゴルフ・リンクスを見下みおろした景色は明麗めいれいであり、九千部くせんぶ岳、千々岩ちぢわ岳を中心として鳥甲とりかぶと、吾妻、鉢巻等を外輪山とする西雲仙火山の大観が得られることを取るべしとする。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
地理学上の雲仙岳は二座の火山群からるところの二重火山で、九千部くせんぶ山と千々岩ちぢわ岳、それに地獄火山とこの三個の中央火口丘を有してその周囲に鳥甲とりかぶと山、吾妻山、鉢巻山、矢岳、絹笠山、野岳
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
近頃は時々鳥兜とりかぶとを用いるが、その毒性は詳しいことがわかっているわけではなく、馬酔木あしびも時々用いたが、そんな大した毒性はないと植物学者から聴いていささかがっかりしたところである。
銭形平次打明け話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)