鳥冠とりかぶと)” の例文
柿色の顔と萌黄色もえぎいろの衣装の配合も特殊な感じを与える。頭に冠った鳥冠とりかぶとの額に、前立まえだてのように着けた鳥の頭部のようなものも不思議な感じを高めた。
雑記(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
鳥冠とりかぶとの根はかねて庭から掘つて用意して居た筈だ。下女のお大がお勝手をあけると、お前はそれをなべはふり込み、自分が一番先に死ぬ氣で二杯も重ねた。
香取さんがこしらへた鳥冠とりかぶとの握りのついた太い籐のステッキを手にして構へた、芥川の黒のソフトの上に、箱庭の五重塔のやうな十二階がのつて寫つてたなどの事を四
三人共口を揃へて毒は裏庭に今を盛りと咲いて居る鳥冠とりかぶとの根を味噌汁へり込んだものと分りましたが、誰がそんな事をしたのかとなると、まるで見當も付かないのです。