“てすき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手隙73.3%
手漉6.7%
成程手隙6.7%
手空6.7%
手透6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晩方少し手隙てすきになってから、新吉は質素じみな晴れ着を着て、古い鳥打帽を被り、店をお作と小僧とにあずけて、和泉屋へ行くと言ってうちを出た。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
貧乏くさいそれらの仕事は決して小さな働きではありません。手漉てすきわざは農村の家庭に行き渡っていて、これが土佐紙の手堅い基礎をなしていると思われます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
手漉てすきの紙もこの国に見られます。一般に「宇陀紙うだがみ」の名で聞え、主に傘紙として用いられます。傘紙の需用は今まで和紙の丈夫さを保たせた一つの原因だとも思われます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
で、言うべき文句迄こしらえて、掻くようにして昼を待っていると、昼が来て、成程手隙てすきだから、ほかの者は遊んでいて小女ちびが膳を運んで来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「新規に、おうまや方へ変って来られた、木下藤吉郎様じゃ。あの、桐畑きりばたけの空屋敷へ、近いうちお移りになるそうな。——ちょっと、御案内して、お前方の手空てすきの時、お掃除などしておいてお上げなさい」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五分ごふんあればにあひませう。」其處そこで、べつ赤帽君あかばうくん手透てすきるのを一人ひとりたのんで、そのぶん切符きつぷことづけた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)