“つかつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
束々60.0%
傱々20.0%
急々20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうしたい!」と私は束々つかつかと進んで、「アこっちへ来給え、」と応接へ案内し、卓をなか相対さしむかいとなるや、「大変悪いように聞いたが、能く出て来られたネ!」
彼はほとんど我家に帰りきたれると見ゆる態度にて、傱々つかつかと寄りて戸をけんとしたれど、啓かざりければ、かのしとやかゆるしと謂ふ声して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はにはかに心着きて履物はきものあらため来んとて起ちけるに、いで起てる満枝の庭前にはさきの縁に出づると見れば、傱々つかつかと行きて子亭はなれの入口にあらはれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と脱兎のごとく、かねて計っていたように、この時ひょいと立つと、肩を斜めに、衣兜かくしに片手を突込んだまま、急々つかつかと床の間に立向うて、早や手が掛った、花の矢車。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時に、ひっそりした横町の、とある軒燈籠の白いあかりと、板塀の黒い蔭とにはさまって、ひらたくなっていた、頬被ほおかむりをした伝坊が、一人、後先をみまわして、そっと出て、五六歩行過ぎた、早瀬の背後うしろへ、……抜足で急々つかつか
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)