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だうげう
道翹が
答へた。「
豐干と
仰やいますか。それは
先頃まで、
本堂の
背後の
僧院にをられましたが、
行脚に
出られた
切、
歸られませぬ。」
驚いて
跡を
見送つてゐる
閭が
周圍には、
飯や
菜や
汁を
盛つてゐた
僧等が、ぞろ/\と
來てたかつた。
道翹は
眞蒼な
顏をして
立ち
竦んでゐた。
閭は
忙しげに
明家を
出た。そして
跡から
附いて
來る
道翹に
言つた。「
拾得と
云ふ
僧は、まだ
當寺にをられますか。」