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しぶちゃ
渋茶の
味はどうであろうと、おせんが
愛想の
靨を
拝んで、
桜貝をちりばめたような
白魚の
手から、お
茶一
服を
差し
出されれば、ぞっと
色気が
身にしみて、
帰りの
茶代は
倍になろうという。
囲炉裏側に腰かけて
渋茶の
馳走になって居ると、天幕から迎いの人夫が来た。
御堂は申すまでもありません、下の
仮庵室なども
至極その
涼いので、ほんの
草葺でありますが、
些と御帰りがけにお
立寄り、御休息なさいまし。
木葉を
燻べて
渋茶でも献じましょう。