“しおくり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仕送81.8%
為送18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちゝ存命中ぞんめいちゆうには、イワン、デミトリチは大學だいがく修業しうげふためにペテルブルグにんで、月々つき/″\六七十ゑんづゝも仕送しおくりされ、なに不自由ふじいうなくくらしてゐたものが、たちまちにして生活くらしは一ぺんし、あさからばんまで
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
約束した仕送しおくりは無論寄さなかつた。のちには手紙が附箋ふせんを附けたまゝ戻つて来た。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
香以は店を継母に渡し、自分は隠居して店から為送しおくりを受けることとし、妾鶴にはいとまり、妻ふさとせがれ慶次郎とを連れて、浅草馬道の猿寺さるでら境内に移った。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
猿寺の侘住わびずまいに遷った香以は、山城河岸の店から受ける為送しおくりの補足を売文の一途に求めた。河竹新七の紹介に由って、市村座の作者になり、番附に梅阿弥の名を列する。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかしまさかうつつの意識でそれを信ずる程の詩人にもなれなかった。余程年が立ってから、僕は偶然この娘の正体を聞いた。この娘はじきあの近所の寺の住職が為送しおくりをしていたのであった。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)