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ごきてい
雪三斷然お
斷り申す
御歸邸のうへ
御前体よろしく
仰せ
上げられたしといひ
放てば、
然る
仰せあらんとは
存ぜしなり、
然らば
聟君としては
迎へさせ
給はずやといふ、
否とよ
兎に
角に
御身分柄つり
合はず
糸子も
間ひの
襖の
際にぴつたりと
身を
寄せつあやしのことよと
耳そばだつれば、
松野例に
似ぬ
高調子に
然らば
聞かし
參らせん
御歸邸のうへ
御主君、
殊に
緑君に
御傳へ
願ひたし、
糸子が
契約の
良人とは