“ごうごう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
轟々68.3%
囂々28.6%
嗷々1.2%
哈々0.6%
濠々0.6%
轟轟0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女のひとはバスケットを棚へ上げると、あとは又汽車の轟々ごうごうたる音である。私の前の弟子らしい男達は、眠ったような顔をしていた。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
囂々ごうごうとひびいて摩擦音を轟かせ、地獄の大釜がたぎるような氷擦の熱霧をあげながら、日速四百十九メートルといわれる化物氷河の谷。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
大伴今人という国守が山を穿うがって大渠だいきょをひらいたとき、百姓はこれを無役無謀な工事だといって嗷々ごうごうと批難したが
土の中からの話 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
声に応じて大蔵ヶ谷右衛門は、大鉞を抛り出し、かたわらの陣鉦じんがねをムズと掴み、突っ立ち上がると見る間もなく、兵法に叶ったばちさばき、哈々ごうごうと鉦を打ち鳴らした。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
音は忽ち哈々ごうごうと鳴り、大藪地の四方へ響き渡った。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
海からはすこしはなれているが、大島が目の前に見え、左右は山の岬が出ていて、畑の真中の木の櫓から下の宿の温泉が噴き出して夜も昼も白い煙を濠々ごうごう立てている。
県道筋に沿うたまばらな人家には点々と灯がみえ始めて、もう足許あしもとも暗かった。野づら一めんを轟轟ごうごううなっている風をまともに浴びると、呼吸いきふさがりそうだった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)