“こにわ”の漢字の書き方と例文
語句割合
小庭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見透みとおしの裏は小庭こにわもなく、すぐ隣屋となり物置ものおきで、此処ここにも犇々ひしひしと材木が建重たてかさねてあるから、薄暗い中に、鮮麗あざやかなその浅黄の手絡と片頬かたほの白いのとが、拭込ふきこんだ柱に映って、ト見ると露草つゆぐさが咲いたようで
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その理由はただに男女相思の艶態に恍惚たるがためのみにあらず、人物と調和せるその背景が常に清洒せいしゃなる小家こいえ内外ないがいを描き、格子戸こうしど小庭こにわ欞子窓れんじまどよりまくら屏風びょうぶ長火鉢ながひばち箱梯子はこばしごかまど等に至るまで
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それより小道具衣裳方あり廊下のはずれより離れて団洲だんしゅうの室に至る。小庭こにわをひかへて宛然さながら離家はなれやていをなせり。表梯子おもてはしごのぼれば猿蔵さるぞう染五郎二人ににんの室あり家橘栄三郎これに隣してまた鏡台を並ぶ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)