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くわこちやう
「虫や魚の話ぢやありませんよ。それ、
何處の家にも祖先といふのがあるでせう。その
過去帳見たいな卷物を——何んとか言ひましたね」
頼み入と云に祐然則ち
承たまはり
代香をなし夫より皆々
本堂へ來り
過去帳を取出させ
委細を
調べける
...
其の着物が
残つて
居ります。それから
御先代の
木像と
過去帳が
残つて
居ります」「それでは、ちよいとそれを
持つて
来て
貰ひたい」といふと、
女将は
直に車に乗つて
行つて取つて
来ました。