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くはしき
貧福をいはず、ひたすら善を
積まん人は、その身に来らずとも、子孫はかならず
幸福を
得べし。
一〇三宗廟これを
饗けて子孫これを
保つとは、此のことわりの
細妙なり。
寺務の
間ある日は
七湖に小船をうかべて、
八網引釣する
泉郎に銭を
与へ、
獲たる魚をもとの江に放ちて、其の魚の
遊躍ぶを見ては画きけるほどに、年を
経て
九細妙にいたりけり。
致しける其七日の
滿ずる日の
暮方山の上よりして
颯と
吹下す風に飄然と眼の前に
吹落す一枚の
牌あり手に取て見るに
立春大吉護摩祈祷守護可睡齋と記したれば三五郎は心に思ふやう彼の
可睡齋と云ば
東照宮より御
由緒ある寺にして當國の
諸侯も御歸依寺也因ては可睡齋へ參り
委曲事を