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くにざか
小泉八雲の怪譚といえば、私の好きなものは
狢の怪談である。商人が
紀の
国坂を通っていると娘が泣いている。
東京市は
頻に西洋都市の外観に
倣わんと欲して近頃この種の楓または
橡の
類を各区の路傍に植付けたが、その最も不調和なるは
赤坂紀の
国坂の往来に越す処はあるまい。
家内が
此の
時も
四谷へ
髮を
結ひに
行つて
居た。
女中が
洗濯をして
居た。おなじ
事である。
其の
日は
歸つて
來て、
見附の
公設市場の
上かけて、お
濠の
上は
紀の
國坂へ
一面の
赤蜻蛉だと
言つた。