“からざけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乾鮭77.8%
干鮭22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何故といつて、吾々は呂革にぶら下る時、自分が乾鮭からざけになつたやうな気持を味はふ事が出来る。郵船会社の重役を夢みるのも、乾鮭を夢みるのも、同じやうに新気分の会得である。
棒鱈ぼうだら乾鮭からざけうずたかく、片荷かたに酒樽さかだるを積みたる蘆毛あしげこまの、紫なる古手綱ふるたづないて
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山家やまが御馳走ごちそう何処いずくも豆腐湯波ゆば干鮭からざけばかりなるが今宵こよいはあなたが態々わざわざ茶の間に御出掛おでかけにて開化の若い方には珍らしくこの兀爺はげじいの話を冒頭あたまからつぶさずに御聞おききなさるが快ければ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大観音おおがんのんそばに間借をして自炊じすいしていた頃には、よく干鮭からざけを焼いてびしい食卓に私を着かせた。ある時は餅菓子もちがしの代りに煮豆を買って来て、竹の皮のまま双方から突っつき合った。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)