“かしわばら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
柏原93.8%
橿原6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一茶は信州の高原柏原かしわばらの産で諸国を放浪した末また柏原に戻って来て、それから一生を其処に終った人である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
関ヶ原へ一里、柏原かしわばらへ一里というところ、なおくわしく言えば、江戸へ百十三里十六町、京へ二十二里六丁というほどの地点に、今須駅というのがあるのです。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
またこの橿原かしわばらというんですか、山のすそがすくすく出張でばって、大きな怪物ばけものの土地の神が海の方へ向って、天地に開いた口の、奥歯へ苗代田なわしろだ麦畠むぎばたけなどを、引銜ひっくわえた形に見えます。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
橿原かしわばらの奥深く、あがるように低くかすみの立つあたり、背中合せが停車場ステイションで、その腹へ笛太鼓ふえたいこの、異様に響くめた。其処そこへ、遥かにひとみかよわせ、しばらく茫然ぼうぜんとした風情ふぜいであった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言いかけて身体からだごと、この巌殿いわどから橿原かしわばらへ出口の方へ振向いた。身の挙動こなし仰山ぎょうさんで、さも用ありげな素振そぶりだったので、散策子もおなじくそなたを。……帰途かえるさかれにはあたかも前途ゆくてに当る。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)