“かくまい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
隠匿66.7%
蔵匿33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「は、はい、通りがかりの者でございますが……不意の斬合きりあいで……ここへ逃込みましたが……お願いでございます……どうぞ暫くお隠匿かくまい……」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
捨撥すてばちにしてからは恐ろしき者にいうなる新徴組しんちょうぐみ何のこわい事なく三筋みすじ取っても一筋心ひとすじごころに君さま大事と、時をはばかり世を忍ぶ男を隠匿かくまいし半年あまり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
わたくし、あなた様から、お隠匿かくまいしていただきました晩、あなた様、眠りながら、お千代、たっしゃかえ、たっしゃでいておくれと仰有おっしゃいましたが、お千代様とおっしゃるお方は?」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
世を忍ぶ身を隠匿かくまいれたる志、七生忘れられず、官軍にはせさんぜんと、決心した我すら曇り声にいだせし時も、愛情の涙はまぶたあふれながら義理のことば正しく、かねての御本望わたくしめまでうれしゅう存じますと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それはそれにて可いとして、少時しばらくなりとも下枝を蔵匿かくまいたる旅店の亭主、女の口より言いもらして主人を始めおれまでの悪事を心得おらんも知れず。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)